
応募を決める前に、会社を調べられている
求人情報を見て興味を持った方が、次に何をするか。多くの場合、会社名で検索します。
そこで出てきたホームページに、事業内容が簡単に書かれているだけだったり、更新が数年止まっていたりすると、応募をためらう材料になります。求人票の内容が良くても、会社の実像が見えないままでは判断できないためです。
人材の確保が難しくなっているなかで、求人媒体に掲載するだけでなく、自社のホームページで何を伝えるかを考える会社が増えています。ここでは、求職者が知りたがっている情報と、その載せ方を整理します。
求人票では伝えきれないこと
求人票は、決められた項目に沿って条件を並べる形式です。仕事内容、給与、勤務時間、休日といった条件は伝わりますが、その先が見えません。
応募を迷っている方が知りたいのは、次のような点です。
- 実際にどんな作業をして1日が終わるのか
- どんな人が働いているのか、年齢層や人数はどれくらいか
- 未経験でも入れるのか、入ってから何を教えてもらえるのか
- 職場の雰囲気はどうか、繁忙期はどの程度忙しいのか
- 入社した人がどのように成長していくのか
こうした内容は、求人票の限られた文字数では書ききれません。ホームページ側で補うことで、条件面だけでは判断できなかった方の背中を押せます。
載せると効果が出やすい情報
仕事内容の具体的な説明
「営業事務」といった職種名だけでは、実態が伝わりません。取り扱う書類、使う道具や仕組み、社内外の誰とやり取りするのかまで書くと、自分にできそうかどうかを判断してもらえます。
1日の流れ
出社から退社までの時間の使い方を並べたものです。文章量は多くありませんが、働く姿を想像しやすくなるため、読まれやすい内容です。
働いている方の紹介
入社のきっかけ、担当している仕事、大変だと感じる点などを短くまとめます。良いことばかりを並べると作り物に見えるため、率直な内容を含めたほうが信頼されます。掲載する際は、本人の了解を得たうえで、名前をどこまで出すかも確認してください。
教育や資格取得の支援
未経験の方を採用したい場合、入社後にどう教えるのかは大きな判断材料になります。制度として整っていなくても、実際に行っている流れを書けば十分です。
写真
職場、働いている様子、設備などの写真は、文章より早く雰囲気を伝えます。人物が写る場合は、掲載の了解を得ておいてください。
書き方で気をつけたいこと
良い面だけを並べると、かえって信用されません。「風通しの良い職場です」「アットホームな雰囲気です」といった表現は、どの会社のページにも書かれているため、判断材料になりません。
同じことを伝えるにしても、具体的な事実に置き換えると伝わり方が変わります。少人数で全員が顔を合わせて仕事をしている、月に一度は全員で予定を共有する場がある、といった書き方であれば、読んだ方が自分に合うかどうかを考えられます。
大変な部分に触れておくことも有効です。繁忙期がある、体力を使う場面がある、覚えることが多いといった点を先に伝えておくと、入社後の食い違いを減らせます。応募数は減るかもしれませんが、続かずに辞めてしまう事態を避けられるほうが、採用にかける手間は結果的に少なくなります。
専用ページを作るか、会社案内に含めるか
採用向けの内容をどこに置くかは、募集の規模によって変わります。
会社案内の中に採用情報ページを設ける場合
年に数名の募集であれば、この形で足ります。1ページに募集要項と職場の紹介をまとめ、応募方法を明記しておきます。作る手間と更新の負担が少なく、内容が古くなりにくいのが利点です。
採用向けのページ群を分けて用意する場合
継続的に採用を行っている、複数の職種を募集している、新卒採用を行っているといった場合は、独立した構成にしたほうが伝えられる量が増えます。ただし、その分だけ作る手間と更新の負担も増えます。
どちらの場合でも、事業内容のページからたどり着けるようにしておくことは重要です。取引先として会社を見に来た方が、たまたま採用情報を目にして知人に伝える、という流れも実際に起こります。
更新を止めないこと
採用情報で最も避けたいのは、募集が終わった内容が残り続けることです。
過去の募集要項がそのまま載っていると、応募しようとした方が問い合わせてきたときに断ることになります。会社への印象が下がりますし、対応する側の手間も発生します。
募集していない期間の扱いを、あらかじめ決めておいてください。ページを非公開にする、「現在は募集を行っておりません」と明記する、通年で応募を受け付ける旨を書いておく、といった方法があります。自分たちで更新できる仕組みを入れておくと、この切り替えが負担になりません。
まとめ
採用のためのホームページで求められるのは、募集条件の再掲ではなく、条件だけではわからない部分の説明です。
まずは、面接で毎回同じ質問をされる項目を書き出してみてください。それがそのまま、求職者が知りたがっている情報にあたります。面接で説明していた内容を先に読んでもらえるようになれば、応募の判断にも、面接の時間の使い方にも変化が出ます。