起業したら最初に押さえておきたい、ホームページとSNSの役割の違い

事業を始めるときに「まずSNSから始めればよいのか、ホームページも用意すべきか」と迷う方は少なくありません。どちらも同じ「インターネットでの情報発信」に見えますが、担っている役割はかなり違います。

この記事では、起業したばかりの段階でのWeb活用として、ホームページとSNSの役割の違いを整理します。

SNSが得意なこと

SNSの一番の強みは、こちらから届けにいけることです。投稿がおすすめとして表示されたり、知り合いを通じて広がったりすることで、まだこちらを知らない人の目に触れる可能性があります。

費用がかからず、その日のうちに始められる手軽さも利点です。日々の様子や取り組みを短く発信し続けることで、人柄や雰囲気が伝わりやすくなります。

一方で、投稿は時間とともに流れていきます。数か月前の投稿を後から探し出すのは、発信している側でも簡単ではありません。また、表示のされ方はサービス側の仕組みに左右され、こちらでは決められません。アカウントの利用が止められた場合には、それまでの発信がまとめて見られなくなる可能性もあります。

つまりSNSは、知ってもらうための入口として力を発揮する一方で、情報を積み上げて保管しておく用途にはあまり向いていません。

ホームページが得意なこと

ホームページは、こちらが載せたい情報を、自分たちの決めた形で置いておける場所です。事業内容、料金の考え方、対応できる範囲、会社の所在地や連絡先といった、判断の材料になる情報をまとめて掲載できます。

大きな違いは、探された時に見つけてもらうという点です。名刺やチラシで会社名を知った方、紹介を受けた方、検索でたどり着いた方が「この会社はどういうところだろう」と確かめにきます。そのときに公式の情報が整理されていると、安心につながります。

法人との取引や、金額の大きい依頼ほど、この確認は丁寧に行われます。取引先の登録や補助金の申請などで、ホームページの有無や記載内容を求められる場面もあります。

反面、ホームページは待ちの性質を持ちます。作っただけで人が集まるわけではなく、名刺やSNS、検索といった経路から訪れてもらう必要があります。

二つの違いをひとことで整理すると

役割の違いは、次のように整理できます。

  • SNS … 流れていく情報。知ってもらうための場。
  • ホームページ … 積み上がる情報。確かめてもらうための場。

そのため両者は、どちらかを選ぶものというより、役割の異なる二つの場所として組み合わせて考えると分かりやすくなります。SNSで関心を持った方が、詳しい内容を確かめるためにホームページを見る、という流れが基本の形です。

限られた時間の中でどう進めるか

開業直後は、時間も費用も限られています。両方を完璧に整えようとすると、どちらも中途半端になりがちです。次のような考え方で優先順位をつけてみてください。

紹介や既存のつながりから仕事が始まる場合は、ホームページを先に整えると効果が出やすくなります。紹介を受けた相手が必ず確認しにくるためです。この段階では、事業内容・料金の目安・連絡先が分かる、簡潔な内容でも十分に役割を果たします。

まだ知られていない状態から始める場合は、SNSでの発信を並行させる意味が大きくなります。ただし、複数のサービスに手を広げるより、扱いやすいものをひとつ選んで続けるほうが現実的です。

どちらの場合も、SNSのプロフィール欄にホームページのアドレスを載せておくと、二つがつながります。

ホームページに最低限載せておきたいこと

最初から充実したホームページを用意するのは大変です。まずは、確かめにきた方が知りたい情報にしぼって用意すると、負担を抑えながら役割を果たせます。目安になるのは次の項目です。

  • 何をしている事業か(一文で分かる説明)
  • 対応できる内容と、対応できる地域や範囲
  • 費用の考え方や、おおよその目安
  • 会社(事業者)の情報と連絡先
  • 問い合わせの方法と、その後の流れ

特に、費用の目安と問い合わせ後の流れは、書かれていないと連絡をためらわれやすい部分です。金額が案件ごとに変わる場合でも、「どういう条件で変わるのか」だけ示しておくと親切です。

ページ数としては、事業内容・会社概要・問い合わせの3つがあれば、最初の形としては十分に機能します。

更新を続けるための工夫

発信で難しいのは、始めることより続けることです。負担を抑えるために、次のような分担がひとつの目安になります。

  • 日々の出来事や気づき → SNSに短く投稿する
  • まとまった内容や、繰り返し聞かれること → ホームページに記事として残す

よく尋ねられる質問への回答をホームページにまとめておくと、説明の手間が減り、後から見返してもらえる資産にもなります。SNSで反応が大きかった話題を、あらためて記事としてまとめ直す進め方も無理がありません。

まとめ

ホームページとSNSは、どちらが優れているというものではなく、担う役割が違います。SNSは知ってもらう入口として、ホームページは確かめてもらう場として機能します。

起業直後は、まず「調べられたときに困らない状態」を用意しておくことが、信頼につながります。そのうえで、続けられる範囲でSNSからの入口を広げていく。この順序で考えると、限られた時間の中でも無理なく進められます。

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