社内チャットは何を選ぶ?Chatwork・Slack・Teams・LINE WORKSの特徴を整理

「社内の連絡をチャットに切り替えたいが、どれを選べばよいのか分からない」というご相談をいただくことがあります。機能を並べた比較表を見ても、正直なところ、どれも似たように見えるかと思います。

結論から言うと、選び方の軸はシンプルです。すでに社内で使っているサービスに合わせること。これがもっとも失敗しにくい判断基準です。

なぜメールではなくチャットなのか

まず前提として、チャットが向いている理由を整理しておきます。

メールは記録に残る一方で、宛先の設定やあいさつ文に手間がかかり、やり取りが続くと全体像が見えにくくなります。電話はその場で解決できますが、内容が記録に残りません。

チャットは、この両方の弱点を埋める位置にあります。短い文章で気軽にやり取りでき、しかも後から検索して内容をたどれます。特に、外出の多い方やパートタイムの方がいる職場では、伝達漏れが減る効果が出やすくなります。

主なサービスの特徴

Microsoft Teams Microsoft 365(Word・Excel・Outlookなど)を契約している会社であれば、多くの場合すでに利用できる状態になっています。ファイルの共同編集やオンライン会議まで一体で使えるのが強みです。国内の導入シェアはこのTeamsが最も大きくなっています。

Slack 外部サービスとの連携が豊富で、開発系の会社やIT企業でよく使われています。通知の細かい調整や、話題ごとのチャンネル運用に慣れると効率が上がります。一方で、機能が多い分、はじめて触る方には設定項目が多く感じられるかもしれません。

Chatwork 国内で開発されているサービスで、画面の作りが分かりやすく、パソコン操作に不慣れな方でも導入しやすいのが特徴です。メッセージにタスクを紐づけられる機能があり、「言った・言わない」を防ぎやすい設計になっています。取引先とのやり取りに使われることも多いサービスです。

LINE WORKS 普段お使いのLINEに近い操作感で使えるため、教育コストがかかりにくいのが利点です。店舗や現場スタッフの多い業種で選ばれる傾向があります。

Google Chat Google Workspaceを契約していれば追加費用なく使えます。GmailやGoogleドライブと同じ画面で完結させたい場合の選択肢になります。

無料プランを検討する際の注意点

どのサービスにも無料で使える範囲がありますが、過去のメッセージが見られる期間に制限がある点は必ず確認してください。

たとえば、無料の範囲では直近の一定期間より前のメッセージが閲覧できなくなる、といった条件が設けられている場合があります。「あの時の指示はどうだったか」と過去をさかのぼる使い方をするなら、有料プランを前提に考えたほうが結果的に安く済みます。

社外とのやり取りをどうするか

もうひとつ判断に関わるのが、取引先とのやり取りに使うかどうかです。

社内だけで完結させるなら、選択の自由度は高くなります。一方で、取引先とチャットでやり取りしたい場合は「相手も同じサービスを使っているか」が現実的な制約になります。国内では、取引先とのやり取りにChatworkが指定されるケースや、業種によってLINE WORKSが選ばれるケースがあります。

社内用と社外用で別のサービスを使い分けている会社も珍しくありません。無理にひとつへ統一しようとせず、用途で分けると割り切るのもひとつの考え方です。

導入前に決めておきたい運用ルール

ツール選び以上に大事なのが、使い方のルールです。最低限、次の4点は決めておくことをおすすめします。

  • グループ(チャンネル)の作り方 ── 案件ごとか、部署ごとか。増えすぎると情報が散らばります
  • 通知の扱い ── 業務時間外の連絡をどうするか。返信を求める時間帯の目安を共有しておくと、心理的な負担が減ります
  • 正式な記録をどこに残すか ── チャットは流れていきます。決定事項は別の場所に残す習慣が必要です
  • 退職・異動時の対応 ── アカウントの停止手順と、やり取りの引き継ぎ方法を先に決めておきます

定着しない原因はツールではないことが多い

導入したものの使われなくなった、というご相談を受けることがあります。原因を伺うと、ツールの機能ではなく進め方にあることがほとんどです。

よくあるのは、「使ってください」と案内しただけで、従来のメールや電話もそのまま残っているケースです。二重の連絡手段があると、結局これまで通りの方法に戻ってしまいます。

定着させるには、まず「この種類の連絡はチャットに寄せる」と範囲を決めるのが有効です。日報、シフトの調整、備品の依頼など、対象を絞って始めると習慣になりやすくなります。あわせて、経営層や管理職が率先して使うことも効果があります。上長がチャットを見ていない環境では、社員は使いません。

まとめ

チャットツールは、機能の優劣よりも「社員全員が無理なく使えるか」で決まります。Microsoft 365を使っているならTeams、Google WorkspaceならGoogle Chat、どちらでもなく分かりやすさを優先するならChatworkやLINE WORKS、といった形で、既存の環境から逆算するのが現実的です。

まずは少人数で1か月ほど試してみて、社内の反応を見てから全社に広げる進め方をおすすめします。

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