ホームページの文章で他社との比較や批判を書かないほうがよい理由

ホームページの文章を考えていると、「うちは他とここが違う」と書きたくなる場面があります。ときには「よくある悪い例」として、他社のやり方を引き合いに出したくなることもあるでしょう。

自社の良さを分かってもらいたいという気持ちから出てくるものですが、この書き方は思ったほど効果が出ないばかりか、書いた側が損をする結果になることがあります。この記事では、その理由と、代わりにどう書けばよいかを整理します。

理由1:読み手の印象が、想像と違う方向に働く

書き手が期待するのは「なるほど、この会社のほうがよさそうだ」という反応です。しかし実際には、別の受け取られ方をすることが少なくありません。

一つは、批判している側の印象が下がることです。他をけなす文章を読むと、読み手は内容の正しさより先に「この人はこういうことを書く人なのか」という書き手の人柄を感じ取ります。取引を検討している相手なら、なおさら気になる部分です。

もう一つは、読み手が比較されている側に立つ場合です。読者の中には、すでにその方法を選んでいる人や、その業種で働いている人がいます。その人にとって、批判は自分の判断を否定されたように感じられます。

さらに、比較で優位を示す文章は、より条件のよい相手が現れれば、そのまま自社に跳ね返ってきます。「安さ」で優位を主張すれば、より安い相手が来たときに選ばれる理由がなくなります。

理由2:法律やルールの面でのリスクがある

比較そのものが禁じられているわけではありませんが、注意すべき点があります。

根拠のない優位性の表示 「業界で最も」「どこよりも優れている」といった表現は、客観的な根拠が示せなければ問題になり得ます。景品表示法では、実際より著しく優れていると誤解させる表示が規制されています。優位性をうたう場合には、その根拠を自社で説明できる状態にしておく必要があります。

事実と異なる指摘 他社について事実と違うことを書けば、名誉毀損や信用毀損にあたる可能性があります。事実であっても、書き方によっては問題になることがあります。

根拠を保ち続ける負担 比較を書く場合、その根拠となる調査や出典を示し、内容が変わっていないか確認し続ける必要があります。個人事業や少人数の会社にとって、これは決して軽い負担ではありません。

なお、ここに書いたのは一般的な考え方です。具体的な表現で判断に迷う場合は、専門家に確認されることをおすすめします。

理由3:情報が古くなり、修正の手間が続く

他社のサービス内容や価格は、当然ながら変わります。数年前の状態を前提に書いた比較は、いつの間にか事実と違う内容になります。

書いた本人はそのページを忘れていても、検索からは訪問され続けます。「情報が古い」という指摘を受けたときに、慌てて過去のページを探すことになるのは避けたい事態です。

加えて、書いた当時の担当者が退職していると、その根拠がどこにあったのか誰も分からない、という状態も起こります。文章は残りますが、経緯は残りにくいものです。

理由4:意図しない相手に読まれる

他社名を出した文章は、その会社名で検索した人にも表示されます。つまり、自社を知りたい人ではなく、他社を調べている人が読むページになりやすいということです。

生成AIが情報をまとめる場面でも、批判的な文脈は、そのまま自社の紹介として引用されるおそれがあります。自社を説明する言葉が、他社の話で占められているのは、もったいない状態です。

では、どう書けばよいか

比較や批判に頼らずに違いを伝える方法はあります。

選び方の観点として一般化する 「A社よりうちが優れている」ではなく、「依頼先を選ぶときに確認しておきたい点」として整理します。読み手は自分で判断でき、押しつけられた感じがしません。判断材料を提供する姿勢そのものが、信頼につながります。

自社の基準を具体的に書く 「丁寧な対応」ではなく、「返信は原則として翌営業日まで」「打ち合わせの内容は書面で残す」のように、自社がどうしているかを具体的に書きます。他と比べなくても、違いは伝わります。

実際の事例で示す どのような相談を受けて、どう考えて、どうしたか。経緯を書けば、仕事の進め方が自然に伝わります。主張より具体例のほうが説得力を持ちます。

できないことも正直に書く 対応していない領域や、向いていない案件を書いておくと、かえって信頼されます。合わない依頼が減るという実務上の利点もあります。

まとめ

他社との比較や批判は、書いているときは効果がありそうに感じますが、読み手の印象、法律面のリスク、情報の維持という点で、割に合わないことが多い書き方です。

自社の考え方と、具体的にどう仕事をしているかを書く。それだけで違いは十分に伝わりますし、その文章は何年経っても直す必要がありません。誰かを下げずに自分を説明できるかどうかは、そのまま会社の姿勢として読み取られる部分でもあります。

本記事の情報について
本記事は公開日時点で調査・検証した内容を掲載しています。掲載後のアップデートや仕様変更により、記載の手順・画面・価格などが現在と異なる場合があります。内容には十分注意を払っていますが、正確性・完全性を保証するものではありません。本記事を参考にした結果生じた損害等について、当方では責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。

X

Load More