
ホームページの記事は、書いて公開したら終わり、になりがちです。しかし、公開から時間が経った記事には、情報の古さという問題が静かに積み重なっていきます。この記事では、古い記事を放置するリスクと、見直し(リライトとも呼ばれます)の進め方を説明します。
情報が古くなると何が起きるか
公開時には正しかった内容も、時間とともに実態とずれていきます。制度の変更、道具の画面や機能の変化、社内の対応内容の変化など、原因はさまざまです。
古い情報を放置すると、2つの問題が起きます。
1つ目は、読者への実害です。古い手順を信じて作業した人が困ったり、終了した内容を問い合わせてきたりします。「このホームページの情報は当てにならない」という印象は、会社そのものへの信頼にも影響します。
2つ目は、検索評価への影響です。検索エンジンは、情報の新しさや正確さも評価の材料にしています。内容が実態と合わなくなった記事は、少しずつ順位を落としていく傾向があります。
どの記事から見直すか — 優先順位の付け方
記事が増えてくると、すべてを一度に見直すのは現実的ではありません。優先順位を付けて取り組みます。
- アクセスの多い記事 — 読まれている記事ほど、古い情報の影響も大きくなります
- 順位が下がってきた記事 — 以前は上位だったのに落ちてきた記事は、見直しで回復する余地があります
- 仕事に直結する記事 — サービス内容や料金体系の説明など、問い合わせの入り口になる記事です
- 日付や数字を含む記事 — 「2024年時点」のような記述がある記事は、定期的な確認が必要です
どの記事がよく読まれ、どの記事の順位が動いているかは、アクセス解析やGoogle Search Consoleで確認できます。数字を確認できる環境がまだない場合は、問い合わせの多いサービスに関わる記事から始めれば、大きく外すことはありません。
見直しの具体的な観点
記事を開いたら、次の点を順に確認します。
- 事実の確認 — 制度、機能、手順、社内の対応内容が現在も正しいか
- リンクの確認 — 記事内のリンク先が消えていないか、移転していないか
- 説明の分かりやすさ — 当時は伝わった説明が、今の読者にも通じるか
- 不足の補完 — 公開後に増えた、お客様からの質問や新しい論点を追記できないか
すべてを書き直す必要はありません。事実の修正と、価値ある追記。この2つだけでも、記事の鮮度は大きく変わります。
追記の題材に迷ったら、その記事を読んだ後にお客様から実際に受けた質問を思い出してみてください。記事を読んでもなお質問されたということは、そこに説明の不足があるということです。その答えを書き加えれば、記事は確実に一段よくなります。
書き直すときの注意点
見直しには、いくつか気を付けたい点があります。
まず、ページの場所(URL)は変えないことです。URLを変えると、それまでの検索評価や、ほかの場所から張られたリンクが引き継がれなくなる場合があります。内容の更新は、同じURLの上で行うのが原則です。
次に、更新した日付を示すことです。「2026年10月更新」のような表記があると、読者は情報の鮮度を判断できます。
最後に、削りすぎないことです。古い情報を消すだけだと、記事が痩せて価値が下がることがあります。消す場合は、代わりに現在の情報を書き加えます。
見直しを続けるための体制づくり
見直しは、一度やって終わりではなく、繰り返し行う作業です。無理なく続けるには、簡単な仕組みを用意しておくと楽になります。
まず、記事の一覧表を作ります。表計算ソフトで構いません。記事のタイトル、URL、公開日、最後に見直した日、次に確認する時期を並べておきます。これだけで「どの記事をいつ確認したか」が分からなくなる事態を防げます。
次に、確認の周期を記事の性質で分けることです。制度や料金など変化の速い内容を含む記事は半年ごと、考え方を扱った変化の遅い記事は年に一度、といった具合です。すべてを同じ頻度で見る必要はありません。
また、気付きをためる場所を決めておくのも有効です。お客様から「ホームページの記述と違う」と指摘を受けたときや、社内でサービス内容が変わったときに、一覧表へ書き留めておきます。見直しのタイミングで、その記録が修正箇所の一覧として機能します。
担当者が複数いる場合は、「気付いた人が記録し、決まった人が直す」と役割を分けると、修正漏れと重複作業の両方を減らせます。
「書く」と「直す」を両輪にする
新しい記事を書くことと、既存の記事を直すこと。集客につながるホームページ運用は、この2つの両輪で成り立ちます。
まずは、アクセスの多い記事を3本選び、事実確認から始めてみてください。年に一度でも見直しの機会を設ければ、記事は資産として働き続けてくれます。