
ホームページを公開したあと、「これで良かったのか」を判断する材料が見つからず、そのままになっている。そうした状況は少なくありません。アクセス数の数字は見られても、それが事業にとって何を意味するのかは分かりにくいためです。
この記事では、経営の立場からホームページの成果をどう捉えるか、判断の材料をどこに置くかを整理します。
最初に決めたことに立ち返る
成果を測る前に確認したいのは、何のために作ったのかという点です。目的が言葉になっていないと、どの数字を見ても判断できません。
考えられる目的には、次のようなものがあります。
- 新しい問い合わせを増やしたい
- 商談の場で会社の説明をしやすくしたい
- 採用の応募につなげたい
- 既存の取引先からの信頼を保ちたい
- 電話での説明の手間を減らしたい
このうちどれを重視していたかによって、見るべき箇所は変わります。採用が目的だったのに問い合わせ件数を見ていても、判断はできません。
目的が定まっていなかった場合は、この段階で決め直します。過去を評価するより、これから何を目指すかを決めるほうが実務的です。
数字だけでは足りない部分があります
アクセス数は分かりやすい指標ですが、それだけでは判断を誤ることがあります。
たとえば、月間の訪問数が3倍になっても、問い合わせが増えていなければ事業への影響はほとんどありません。逆に訪問数が月に数十件でも、そのうち2件が商談につながっているなら、十分に機能しています。
中小企業の場合、そもそも訪問数が大きくならない業種も多くあります。地域と業種が限られていれば、対象になる人の数自体が限られるためです。数の大小より、来た人が想定していた相手かどうかを見るほうが実態に合います。
事業側から見る材料
数字以外にも、判断に使える情報があります。
問い合わせの内容が変わったか 「料金はいくらですか」から「この条件でも対応できますか」に変わっていれば、事前に伝わる情報が増えたことを意味します。件数が同じでも、内容の質が変わることがあります。
説明にかかる時間が減ったか 商談の場で一から説明していた内容を、相手が先に読んでいる状態になっているか。営業担当の実感として現れる変化です。
問い合わせ以外の反応があるか 電話で「ホームページを見て」と言われる、初対面の相手が事業内容を把握している、といった反応も成果のうちに入ります。フォームからの送信だけを数えていると見落とします。
応募者や取引先からの言及があるか 採用面接や商談の中で、ホームページの内容に触れられることがあれば、読まれている証拠になります。
これらは記録に残りにくいため、意識して社内で共有しておくと材料が集まります。
判断を急がないことも必要です
公開直後は、検索から見つけてもらえるまでに時間がかかります。1か月で成果を判断すると、ほとんどの場合「効果がなかった」という結論になります。
半年から1年程度の期間で見るのが現実的です。その間に何もしないという意味ではなく、内容の追加や修正を続けながら、変化を見ていくことになります。
また、ホームページ単体の効果を切り分けることは難しいものです。紹介や既存の取引、他の活動と重なって結果が出るため、「これがあったから受注できた」と特定できる場面は多くありません。全体の流れの中で、どの役割を果たしていたかを見るほうが実態に近くなります。
材料を集める仕組みを作っておく
成果の判断に使える情報は、日々の業務の中に散らばっています。意識して集めておかないと、あとから振り返ることができません。
手間をかけずに始められる方法として、問い合わせや受注があったときに「何をきっかけに連絡してきたか」を記録に残す、という方法があります。紹介、検索、以前からの取引、他の媒体。項目を4つ程度に絞っておけば、記入の負担はほとんどありません。
これを半年から1年続けると、どの経路がどのくらいの割合を占めているかが見えてきます。感覚では紹介が中心だと思っていたものが、実際には検索からの連絡も一定数あった、という結果になることもあります。
聞き方としては、最初のやりとりの中で「どちらでお知りになりましたか」と尋ねる程度で足ります。答えにくい質問ではないため、多くの場合は自然に聞けます。
手を入れる箇所を決める
判断した結果、期待した働きをしていないと感じた場合、作り直しの前に確認できることがあります。
問い合わせ手前まで来て離れているのか、そもそも見られていないのか。前者であれば、掲載している情報の不足や、問い合わせのしにくさが原因かもしれません。後者であれば、検索で見つかっていないか、そもそも知られていない可能性があります。
どちらなのかで対応は変わります。まとめて作り直すより、原因を絞ってから手を入れるほうが、費用も手間も抑えられます。
まとめ
ホームページの成果は、アクセス数の増減だけでは判断できません。何のために作ったのかを確認し、事業側で起きた変化と合わせて見ることで、判断の材料が揃います。
まずは、直近半年に届いた問い合わせがどこから来たものかを振り返ってみると、現在の役割が見えてきます。数字を集める仕組みを整えるのは、その次の段階で構いません。