
ホームページを公開したあと、更新や管理を誰が担当するか。専任の担当者を置ける会社は限られており、多くは他の業務と兼任になります。
この記事では、兼任で任せる場合に決めておきたい業務の範囲と、担当が変わるときに備えた準備について整理します。
「詳しそうな人」に任せるだけでは続きません
パソコンに慣れている、若手だから分かるだろう、という理由で担当を決めると、業務として認識されないまま個人の負担になります。本来の業務が忙しくなれば後回しになり、更新が止まります。
任せる際に決めておきたいのは、次の3点です。
- 何をする業務なのか(範囲)
- どのくらいの頻度で行うのか(時間)
- 判断が必要なとき、誰に確認するのか(権限)
この3点が曖昧なままだと、担当者は何をどこまでやってよいか分からず、動きが止まります。
業務の範囲を書き出す
ホームページに関する業務は、性質の違う作業が混ざっています。まとめて「ホームページの管理」と呼ぶと実態が見えないため、分けて考えます。
日常の更新作業 お知らせの掲載、写真の差し替え、文章の修正など。頻度は会社によりますが、月に数回程度が多いようです。
問い合わせへの対応 フォームからの連絡を確認し、担当部署に振り分ける作業です。更新作業とは別の性質の仕事で、速さが求められます。
内容の企画・判断 何を掲載するか、どう書くかを決める部分です。事業内容にかかわるため、担当者だけでは判断しきれない場面が出てきます。
技術的な保守 システムの更新、バックアップ、不具合への対応。専門的な知識が必要になる領域で、外部に任せている会社が多い部分です。
契約・費用の管理 ドメインやサーバーの更新、各種サービスの契約管理。総務や経理と関係する業務です。
これらをすべて1人に任せるのか、分けるのかを決めます。分ける場合でも、全体を把握している人は1人決めておくと、抜けが起きにくくなります。
外部との線引きを決める
制作会社や保守を依頼している先がある場合、どこまでを社内で行い、どこからを依頼するかを決めておきます。
境目が曖昧だと、「自分でやろうとして失敗してから相談する」という流れになりがちです。事前に「この作業は依頼する」と決めておけば、担当者も迷いません。
一般的には、文章や写真の差し替えは社内、レイアウトの変更やシステムにかかわる作業は外部、という分け方が多く見られます。ただし社内の習熟度によって変わるため、実際に何度か作業してみてから調整する形でも構いません。
権限の設定に注意する
複数の人が管理画面に入る場合、全員に最上位の権限を与える必要はありません。文章の更新だけを行う人に、設定変更まで可能な権限を渡すと、意図しない操作が起きる可能性があります。
一方で、権限を持つ人が1人だけという状態も避けたい形です。その人が不在のとき、誰も更新できなくなります。最低でも2人は管理権限を持ち、他は作業に必要な範囲の権限にする、という構成が現実的です。
引き継ぎに備えておく
担当が変わることは必ず起きます。そのときに困らないよう、次の情報をまとめておきます。
- 管理画面のアドレスと、ログインの手順
- ドメイン・サーバーの契約先と更新時期
- 外部に依頼している作業の内容と、連絡先
- 過去に行った作業の記録
- 更新の手順を書いたメモ
作成には時間がかかりますが、担当者が在籍しているうちに作っておかないと、あとから復元する作業はさらに大変になります。パスワードそのものは、共有の方法を社内の規定に沿って決めておきます。
担当者を1人にしない工夫
兼任の担当者が抱えやすいのは、内容の判断です。「これを載せてよいか」「この書き方で問題ないか」を1人で決めるのは負担が大きく、判断に迷って作業が止まる原因にもなります。
掲載前に確認する人を決めておくと、この負担は軽くなります。毎回の確認が難しい場合でも、価格や対応範囲にかかわる内容だけは責任者が目を通す、といった線引きをしておけば、大きな食い違いは防げます。
また、更新作業そのものを複数人ができる状態にしておくと、繁忙期に止まりにくくなります。手順を書いたメモがあれば、普段は担当していない人でも簡単な差し替えは行えます。
担当者が孤立すると、更新が止まったときに気づく人もいなくなります。定例の会議で状況を短く共有する程度でも、状態を把握しておく仕組みになります。
無理のない頻度を決める
毎週の更新を目標にすると、多くの場合は続きません。月に1回、あるいは四半期に1回でも、決めた頻度が守られているほうが管理としては安定します。
更新する内容がないときに無理に書く必要もありません。事業に動きがあったとき、伝えるべきことができたときに更新する、という運用でも役割は果たせます。
まとめ
ホームページの担当を決める際は、人を選ぶ前に業務の範囲を書き出すことから始めると、任せやすくなります。何を、どのくらいの頻度で、どこまでの権限で行うのか。これが決まっていれば、兼任でも無理なく続けられます。
現在の担当者が1人しかいない場合は、その人がいなくなったときに何が止まるかを確認してみると、備えるべき箇所が見えてきます。