
求人媒体に掲載したあと、応募者が次にする行動はほぼ決まっています。会社名で検索して、ホームページを見ることです。求人票に書かれた情報だけで応募を決める人は多くありません。
この記事では、応募を検討している人がホームページのどこを見ているのか、採用の場面で不足しがちな情報は何かを整理します。
求人票とホームページでは、伝わる情報が違います
求人票は、職種・勤務地・給与・勤務時間といった条件を並べた書式です。書ける項目が決まっているため、どの会社も似た見た目になります。
一方でホームページには、その会社が何をしている会社なのか、どんな考え方で仕事をしているのかが表れます。応募者にとっては、条件が合うかどうかを確認したあと、「ここで働くイメージが持てるか」を判断する材料になります。
とくに社名が広く知られていない中小企業では、この差が大きく働きます。名前だけでは判断できないため、応募者は情報を探しにきます。
応募者が確認している主な項目
事業の中身が具体的に書けているか
「お客様に寄り添ったサービスを提供しています」という説明だけでは、何をしている会社なのかが伝わりません。どんな業種のお客様が多いのか、どういった案件を扱っているのか、規模はどのくらいか。こうした具体性があると、入社後の仕事が想像しやすくなります。
働いている人の様子がわかるか
社員数、年齢構成、部署の構成といった基本的な情報は、応募者が知りたがる項目です。写真がある場合、無理に演出したものより、実際の職場の様子が伝わるもののほうが判断材料になります。
全社員の顔写真を出す必要はありません。社員の掲載可否は本人の意向にもかかわるため、事業内容や設備の写真にとどめる判断もあります。
情報が新しいか
お知らせの更新が2年前で止まっている、会社概要の従業員数が古いまま、というホームページは珍しくありません。応募者は「今も活動しているのか」を気にします。更新頻度そのものより、明らかに古い情報が残っていないかを確認するほうが効果的です。
求人票との説明が食い違っていないか
事業内容の書き方が求人票とホームページで大きく違うと、応募者は混乱します。募集職種がどの事業にかかわるものなのかを、ホームページ側の説明とつなげておくと理解されやすくなります。
採用ページを別に用意するかどうか
応募が年に数名という規模であれば、専用の採用ページを作らず、会社概要と事業内容を充実させるほうが手間に見合うことがあります。求人媒体に詳細を載せ、ホームページでは会社の姿を伝える、という役割分担です。
継続的に採用を行っている、あるいは求人媒体を使わず自社で募集したい場合は、募集要項・仕事の流れ・選考の進め方をまとめたページを用意する意味が出てきます。判断の基準は、採用の頻度と、応募経路をどこに置くかです。
情報を足すときに気をつけたい点
不足を埋めようとして、実態より良く見せる方向に進むことがあります。ただし採用の場面では、入社後に食い違いが表面化します。
残業がほとんどないと書いたのに繁忙期には発生する、少人数で幅広く任せると書いたのに実際は担当が固定されている。こうした差は、早期の離職につながります。採用にかかる手間を考えると、入口で人数を集めるより、条件が合う人に届くほうが結果的に負担は軽くなります。
書きにくい条件があるなら、伏せるのではなく、そのまま書いたうえで理由を添える方法があります。繁忙期が決まっているなら時期を明記する、担当範囲が限られるならその理由を説明する。読んだ人が自分で判断できる状態にしておくほうが、後の食い違いは減ります。
見直すときに手をつけやすい箇所
大きな作り直しをしなくても、次の項目は比較的短時間で手を入れられます。
- 会社概要の従業員数・所在地・事業内容が現状と合っているか
- 事業内容のページに、扱っている仕事の具体例が書かれているか
- 直近1年以内の更新が何かしらあるか
- 問い合わせ先に、採用に関する連絡が届く経路があるか
応募につながらなかった理由は見えにくいものです
求人を出しても応募が集まらないとき、原因を特定するのは簡単ではありません。条件そのものが合っていないのか、会社の情報が足りず判断できなかったのか、応募者の側からは伝えられないためです。
そのため、ホームページの記載を直したからといって、応募が増えると断言できるものではありません。ただ、求人票を見た人が会社について調べようとしたとき、調べられる状態にしておくことはできます。判断材料がない状態で見送られることは、記載を整えることで減らせます。
採用が決まった際に、応募のきっかけや、事前に何を調べたかを聞いてみると、実際にどこが見られているかが分かります。数名分でも聞いておくと、次の募集のときの参考になります。
まとめ
採用の場面でホームページに求められるのは、宣伝ではなく事実の説明です。何をしている会社で、どんな人が働いていて、今も動いているのか。この3点が伝われば、応募者は判断できます。
求人を出す前に、応募者の立場で自社のホームページを一度たどってみると、不足している情報が見つかりやすくなります。募集を始めてから慌てて直すより、事前に確認しておくほうが手間は少なくなります。