
目的が違えば、作りも変わる
ホームページ制作を検討する際、「うちも会社のホームページを作りたい」という形で相談が始まることがよくあります。
このとき、何のために作るのかを整理しておくと、その後の話が進めやすくなります。同じホームページという言葉でも、取引先に会社の信用を示すためのものと、商品を売るためのものとでは、必要な作りがかなり違うためです。
ここでは、代表的な型を5つに分けて、それぞれの役割と向いている使い方を整理します。
1. 会社案内型
会社そのものを紹介するためのホームページです。事業内容、会社概要、沿革、連絡先などで構成されます。
役割は、会社が実在し、どんな事業を行っているかを示すことです。取引前に相手の会社を確認する、金融機関に事業内容を説明する、名刺を渡した相手が後から調べる、といった場面で見られます。
派手さは必要ありません。所在地や代表者名、事業内容が明記され、情報が古くなっていないことのほうが重要になります。
2. サービス・商品紹介型
特定のサービスや商品について、内容を詳しく伝えるためのものです。会社案内型の中に含める場合もあれば、独立させる場合もあります。
読む方はすでに関心を持っている段階なので、何ができるのか、いくらかかるのか、どう進むのか、他とどう違うのかを知りたがっています。よくある質問や、実際の利用例を添えると判断しやすくなります。
このうち、1つの商品やサービスに絞り、上から順に読ませて問い合わせや申し込みまで導く形式のページを、ランディングページと呼ぶことがあります。広告から誘導する場合によく使われる作りで、通常のホームページのように他のページへ移動させない点が特徴です。
3. 採用向け
働き手を募集するためのものです。求める読者が取引先ではなく求職者になるため、伝えるべき内容が大きく変わります。
仕事の具体的な内容、働いている方の様子、教育の仕組みなど、求人票では書ききれない部分を補う役割を持ちます。会社案内型の中に1ページ設ける形から、独立した構成にする形まで、募集の規模によって幅があります。
4. ネットショップ型
商品をホームページ上で販売するためのものです。商品情報の掲載だけでなく、買い物かご、決済、送料の計算、注文管理といった仕組みが必要になります。
会社案内型との大きな違いは、公開後の運用の量です。在庫の更新、注文への対応、問い合わせの返信が日常的に発生します。作る前に、誰がこれを担当するのかを決めておかないと、公開後に回らなくなります。
開設方法にも幅があります。月額料金を払って用意された仕組みを使う方法と、自社のホームページに販売機能を組み込む方法とでは、費用のかかり方も、できることの範囲も異なります。
5. 情報発信型
記事を継続的に掲載していくものです。自社のホームページ内にブログやコラムとして持つ形が一般的です。
役割は、検索から新しい読者に見つけてもらうことと、専門性を示すことです。ただし、効果が出るまでに時間がかかり、更新を続けられるかどうかが結果を大きく左右します。書き手を確保できる見込みがあるかを、始める前に確かめておいてください。
1つにまとめるか、分けるか
これらをすべて別々に作る必要はありません。多くの中小企業では、会社案内型を土台にして、その中にサービス紹介と採用情報を含める形で足ります。
分けたほうがよいのは、次のような場合です。
- 読者の層がはっきり違い、載せる内容がほとんど重ならない
- 継続的に採用を行っており、伝えたい内容が多い
- ネットショップのように、日々の運用や仕組みが大きく異なる
- 広告を使って特定の商品だけを紹介したい
反対に、まとめたほうがよいのは、更新を担当する方が限られている場合です。分ければ分けるほど、管理する対象と費用が増えます。運用の手が足りずに、どちらも更新が止まってしまうより、1つにまとめて確実に手を入れられる状態のほうが結果的に役立ちます。
型によって変わる、公開後の負担
制作費用に目が向きがちですが、型によって差が出るのは公開後の手間です。
会社案内型は、情報が変わったときだけ手を入れれば足ります。年に数回の更新で成り立つため、担当者を専任で置く必要はありません。
一方、ネットショップ型と情報発信型は、日常的な作業が前提になります。前者は注文と在庫への対応、後者は記事を書き続けることが必要です。作った時点では同じように見えても、半年後の状態には大きな差が出ます。
採用向けも、募集の切り替えという定期的な作業が発生します。サービス紹介型は、内容や価格が変わったときに更新が必要です。
どの型を選ぶにしても、公開後に誰が手を入れるのかを先に決めておいてください。この担当が決まらないまま作ると、更新されないまま情報が古びていきます。
まとめ
ホームページの型は、どれが優れているというものではなく、目的に対する向き不向きの違いです。
検討を始める際は、「誰に、何を伝えて、どうしてほしいのか」を一度書き出してみてください。読者が複数いる場合でも、最も重視する相手を決めておくと、構成もデザインも判断しやすくなります。それぞれの型の中でどんなページを用意するかは、また別に整理が必要な部分です。