
「古く見えるから」だけで決めなくてよい
ホームページのリニューアルというと、デザインを今風に作り替えることだと思われがちです。実際、見た目の印象は判断材料のひとつではあります。
ただ、見た目は数年経てば必ず古くなるものです。それだけを理由にすると、数年おきに作り直し続けることになり、費用も手間も積み上がっていきます。
判断の材料は他にもあります。ここでは、リニューアルを考えたほうがよい状態を挙げたうえで、全面的に作り直すのか、一部だけ直すのかの分け方までご説明します。
検討したほうがよい状態
次のような状況にあてはまる場合、作り直しを含めて考える段階に入っています。
スマートフォンで見づらい
画面をつまんで拡大しないと文字が読めない、横にはみ出すといった状態です。現在は多くの方がスマートフォンから閲覧するため、影響が大きい部分にあたります。
自分たちで更新できない
更新のたびに外部へ依頼が必要で、そのまま何年も情報が止まっている場合です。掲載内容が実態と合っていないと、見た方に不安を与えます。
事業内容と掲載情報がずれている
取り扱いをやめたサービスが残っていたり、力を入れている分野が載っていなかったりする状態です。ページを足すだけで解決することもありますが、構成そのものが合わなくなっていることもあります。
表示に時間がかかる
開くまでに数秒かかると、その間に離れてしまう方が出ます。画像の容量や仕組みの古さが原因になっている場合があります。
使っている仕組みが古い
ホームページを動かす土台となるプログラムには、不具合の修正や安全性向上のための更新が提供されます。この提供が終了した古い状態のまま使い続けると、外部からの不正なアクセスを受けやすくなります。この場合は、時期を待たずに対応を検討してください。
更新の作業をお願いできる相手がいない
制作を依頼した先との連絡が取れなくなっている、担当していた方が退職して社内に詳しい人がいない、といった状態です。この場合、不具合が起きたときに手を打てません。緊急性は高くありませんが、動けるうちに引き継ぎ先を確保しておくほうが安全です。
「問い合わせが来ない」は原因を分けて考える
リニューアルのきっかけとして多いのが、問い合わせが増えないという悩みです。ただ、この場合は原因の切り分けが先になります。
そもそも見に来ている方が少ないのか、来ているのに問い合わせに至っていないのかで、対応が変わるためです。前者であれば検索やそのほかの入り口の問題であり、作り替えても状況は変わりません。後者であれば、掲載内容や入力フォームの見直しが中心になります。
アクセス状況を計測する仕組みを入れていれば、閲覧数や、よく見られているページを確認できます。判断の前に、この数字を見ておくと無駄な作り直しを避けられます。
全面リニューアルか、部分改修か
すべてを作り直す必要がない場合もあります。おおまかな分け方は次のとおりです。
- 部分改修で足りる場合 — 情報が古い、特定のページだけ見づらい、ページを追加したい、といった局所的な課題
- 全面リニューアルが向く場合 — スマートフォン対応ができていない、仕組みが古く更新が受けられない、構成そのものが事業と合わない
部分改修は費用を抑えられますが、古い作りの上に手を入れる形になるため、直せる範囲にも限りがあります。何度も部分改修を重ねている場合は、いったん作り直したほうが結果的に安くつくこともあります。
進める前に整理しておきたいこと
作り直しを決めたら、現状の把握から始めます。
今あるページの一覧を書き出し、残すもの、内容を書き替えるもの、なくすものに分けておくと、制作の相談がしやすくなります。よく見られているページや、問い合わせにつながっているページは、なくさないよう印を付けておいてください。
また、ドメイン(ホームページの住所にあたる文字列)や、サーバーの契約情報、管理画面のIDとパスワードの所在も確認しておきます。前回の制作から時間が経っていると、これらがわからなくなっている場合があり、作業が止まる原因になります。
新しく作るときより手間がかかる部分
はじめて作る場合と違い、リニューアルには既存の内容を引き継ぐ作業が加わります。
今あるページの文章や写真をどこまで使い回すのか、書き替えるならいつまでに用意するのか。ここが決まらないまま進むと、制作が止まります。ページ数が多いホームページほど、この整理に時間がかかります。
また、公開の切り替え作業も発生します。現在のホームページを表示したまま新しいものを準備し、ある時点で入れ替える形になるため、切り替えの日時をあらかじめ決めておく必要があります。問い合わせが多い時期や、繁忙期を避けて設定してください。
公開後に気をつけること
作り直しでページの住所が変わると、検索結果や他所からのリンクをたどってきた方が、行き先のないページに突き当たります。古い住所から新しい住所へ案内する設定を入れておくと、この取りこぼしを防げます。
公開後しばらくは検索結果での表示が変動することもあります。数日で判断せず、1か月ほどは様子を見てください。
まとめ
リニューアルは、見た目の新しさよりも、スマートフォン対応、更新のしやすさ、仕組みの安全性という3点から判断すると、必要かどうかを見極めやすくなります。
まずは今のホームページのページ一覧を書き出し、どこに不足があるのかを整理するところから始めてみてください。全面的に作り直さなくても解決する部分が見つかることもあります。