
ホームページの更新や管理を外注せず、自社のスタッフで行う「内製化」を検討する会社は少なくありません。うまくいけば費用を抑えられ、情報発信のスピードも上がります。一方で、準備不足のまま始めると、かえって手間や損失が増えることもあります。この記事では、内製化でよくある失敗談を紹介しながら、失敗しないための進め方を解説します。
失敗談1 担当者が辞めたら誰も触れなくなった
内製化で最も多い失敗が「属人化」です。パソコンに詳しい社員が一人でホームページを管理していたところ、その社員が退職し、ログイン情報も更新方法も分からなくなってしまった、という話は珍しくありません。
サーバーやドメイン(ホームページの住所にあたるもの)の契約が退職者の個人メールアドレスで登録されていて、更新通知が誰にも届かず、気づいたらホームページが表示されなくなっていたというケースもあります。
対策はシンプルで、契約情報・ログイン情報・更新手順を必ず文書化し、複数人で共有することです。契約に使うメールアドレスは、個人のものではなく会社の共用アドレスにしておきましょう。
失敗談2 最初だけ頑張って、更新が止まった
「お知らせを毎週更新しよう」と意気込んで始めたものの、3か月後には最終更新日が数か月前のまま、という失敗もよくあります。更新が止まったホームページは、訪問者に「この会社は動いているのだろうか」という不安を与えてしまいます。
原因の多くは、更新作業が特定の人の「本業の合間の善意」に頼っていることです。忙しくなれば真っ先に後回しになります。
対策は、更新を業務として位置づけることです。「月に1回、月初の営業日に更新する」「担当者と確認者を決める」のように、頻度と担当を決めて仕組みにしてしまうと、無理なく続けられます。頻度は高くなくて構いません。続けられるペースで決めることが大切です。
失敗談3 バックアップを取らずに画面が真っ白に
WordPress(ホームページの更新を管理する仕組みの代表例)を自社で管理している場合、プラグイン(機能追加の部品)の更新作業が発生します。ある会社では、バックアップを取らずに更新ボタンを押したところ画面が真っ白になり、復旧に数日かかってしまいました。その間、ホームページは表示されないままです。
更新作業の前には必ずバックアップを取る、これは内製化の基本中の基本です。レンタルサーバーに自動バックアップ機能が付いていることも多いので、まずは自社の環境で使えるかを確認しておきましょう。
失敗談4 誰も見ていない自己満足の更新を続けていた
更新は続いているのに成果につながらない、という失敗もあります。社内行事の写真ばかりを載せていて、お客様が知りたい情報(サービス内容、対応エリア、よくある質問など)がほとんど増えていなかった、というケースです。
内製化の目的は「更新すること」ではなく「見る人の役に立つ情報を増やすこと」です。アクセス解析(どのページが何回見られたかを調べる仕組み)を月に一度でも確認し、よく見られているページや検索されている言葉を参考に、次に書く内容を決めると、更新が成果につながりやすくなります。
失敗談5 全員に管理権限を渡して、ページが消えた
情報共有の大切さをお伝えしましたが、逆の失敗もあります。「誰でも更新できるように」と社員全員に管理者権限を渡していた会社で、操作に不慣れな社員が誤って公開中のページを削除してしまった、というケースです。バックアップがなかったため、ページは作り直しになりました。
権限は「共有」しつつも「整理」が必要です。WordPressであれば、記事の作成だけができる権限、公開まで承認できる権限、システム設定まで触れる権限を分けて設定できます。日常の更新は投稿権限だけで行い、設定変更ができる管理者権限は限られた人だけが持つ、という形にしておくと、事故を大幅に減らせます。
あわせて、誰がいつ何を変更したかを後から確認できるようにしておくと、問題が起きたときの原因究明も早くなります。
内製と外注は、ゼロかイチかで考えない
ここまで失敗談を紹介してきましたが、内製化そのものが悪いわけではありません。日々のお知らせ更新やブログは内製し、システムに関わる部分やセキュリティ対応は専門家に任せる、という組み合わせ方も選べます。
自社でどこまで対応できるかを見極め、無理のない範囲から始めることが、失敗しない内製化の第一歩です。
まとめ
ホームページ運営の内製化でつまずくポイントは、属人化、更新の停滞、バックアップ不足、目的を見失った更新の4つに集約されます。いずれも、始める前に「情報の共有」「更新の仕組み化」「作業前のバックアップ」「目的の確認」を決めておけば防げるものです。まずは自社の現状で、この4点が整っているかを確認するところから始めてみてください。