
ホームページ制作では、デザインや原稿に比べて、ドメインやサーバーの契約は後回しにされがちです。ところが、誰の名義で契約し、誰がログインできるのかを決めておかないと、担当者の退職や依頼先の変更のときに大きな問題になります。この記事では、ドメイン・サーバーの名義と管理権限について、制作時に決めておきたいことを整理します。
「誰が持っているか」が分からなくなる理由
ドメインは、ホームページのアドレスにあたる部分です。サーバーは、ホームページのデータを置いて公開するためのコンピューターで、多くの場合は貸し出しサービスを契約して使います。
この二つは、制作の進行に合わせて手早く契約されることが多い部分です。制作を依頼した先がまとめて契約する、当時の担当者が個人のメールアドレスで登録する、といった形で進むと、数年後に「誰の名義なのか」「ログイン情報はどこにあるのか」が分からなくなります。
分からなくなると、ホームページの更新や、依頼先の変更ができなくなります。更新期限の案内が届かず、気づかないうちに契約が切れてしまうこともあります。
名義と管理権限は分けて考える
整理しやすくするために、「名義」と「管理権限」を分けて考えます。
名義は、契約者が誰かということです。料金を支払い、契約内容を変更したり解約したりできる立場を指します。管理権限は、ログインして設定を操作できる人が誰かということです。
ホームページの持ち主である自社が名義を持ち、作業に必要な権限だけを制作を依頼した先に付与する。この形にしておくと、依頼先が変わっても、自社の判断で権限を外したり付け替えたりできます。
制作の都合で依頼先の名義で契約する場合もあります。その場合は、契約が終わるときに名義を自社に移す手続きがどうなるのかを、最初に確認しておきます。ドメインの種類によっては、移管の手続きに日数がかかることもあります。
自社で把握しておきたいアカウント
ホームページに関わるアカウントは、ドメインとサーバーだけではありません。制作が終わった時点で、少なくとも次のものは自社で把握しておきます。
- ドメインの管理画面
- サーバーの管理画面
- CMS(ホームページの更新を管理する仕組み)の管理者アカウント
- ホームページと同じドメインで使っているメール
- アクセス解析ツールなど、ホームページに組み込んでいる外部サービス
- 有料のプラグインやテーマ、写真素材などのライセンス
それぞれについて、名義、ログインできる人、更新期限と支払い方法を一覧にしておくと、後から確認しやすくなります。
登録するメールアドレスと支払い方法
見落としやすいのが、契約時に登録するメールアドレスと支払い方法です。
担当者個人のメールアドレスで登録すると、その人が退職したときに、更新案内や重要なお知らせを受け取れなくなります。パスワードを再設定する手続きもそのアドレス宛てになるため、ログインできなくなったときに打つ手がなくなります。登録には、部署やホームページ管理用の共有アドレスを使うのが安全です。
支払い方法も同じです。個人のクレジットカードで支払っていると、カードの有効期限切れや退職をきっかけに支払いが止まることがあります。会社名義の支払い方法にそろえておきます。
ログイン情報の受け渡しと保管
制作が終わると、管理画面のログイン情報を受け取ることになります。受け渡しと保管にも注意が必要です。
- IDとパスワードを、同じメールの本文にまとめて送らない
- 受け取った情報は、表計算ソフトにそのまま書き込むのではなく、パスワード管理ツールなど鍵のかかる場所に保管する
- 制作中に使っていた仮のパスワードは、受け取ったあとに変更する
- 複数人で使う場合は、一つのアカウントを共有せず、人ごとにアカウントを作る
人ごとにアカウントを分けておくと、退職や異動のときにその人のアカウントだけを停止できます。誰がいつ操作したのかも追いやすくなります。
依頼先が変わるときに困らないために
名義と管理権限が整理できていれば、依頼先を変えるときの作業は、主に権限の付け替えで済みます。
整理できていない場合は、まず「誰の名義で、どこに契約があるのか」を調べるところから始まります。前の依頼先と連絡が取れないと、ドメインの移管に時間がかかったり、最悪の場合はホームページを作り直すことになったりします。
なお、ドメイン名そのものの決め方については別の記事で取り上げています。こちらの記事は、決めたあとの管理に絞った内容です。
一覧表を一枚作っておく
ここで挙げた内容は、制作が終わる時点で一度まとめてしまえば、あとは変更があったときに直すだけで済みます。
アカウントの種類、名義、ログインできる人、登録メールアドレス、更新期限。これを一枚の表にして、社内の決まった場所に置いておいてください。すでに公開しているホームページでも、この表を作ろうとしてみると、どこが分からなくなっているかが見えてきます。