
「来月の展示会に間に合わせたいのですが」という相談は珍しくありません。ホームページは、依頼してから公開まで思ったより時間がかかるものです。ここでは、規模ごとの期間の目安と、どの工程に時間が必要なのか、そして予定より長引くときの原因を整理します。制作を発注する前にスケジュールを組み立てるための材料としてお読みください。
規模ごとの期間の目安
内容によって幅はありますが、おおよその目安は次のとおりです。
数ページ程度の小規模なもの(会社概要と問い合わせが中心、5ページ前後)で、1か月から2か月ほど。
一般的な会社案内のホームページ(10ページから20ページ程度、サービス紹介や実績を含む)で、2か月から3か月ほど。
ページ数が多いもの、機能を伴うもの(採用ページや会員向けの仕組み、商品の一覧など)は、3か月以上かかることが多くなります。
ここでいう期間は、契約が済んで打ち合わせを始めてから公開までです。依頼先を検討して見積もりを比べる期間は含んでいません。実際には、その前段階に2週間から1か月ほどかかることが多いので、公開希望日から逆算するときはその分も見込んでおいてください。
どこに時間がかかるのか
制作の期間は、作業そのものより、決めることと確認することに使われます。工程ごとに見ていきます。
打ち合わせと方向性の整理に、2週間から1か月。何のために作るのか、誰に見てほしいのか、どんなページが必要かを固める期間です。ここが曖昧なまま先に進むと、後の工程で必ず戻ります。
構成の設計に、1週間から2週間。ページの一覧と、各ページに何をどの順で載せるかを決めます。色や写真が入る前の設計図を作る段階です。
デザイン案の作成と確認に、2週間から1か月。案を出してもらい、確認して、修正して、了承する。この往復に時間がかかります。
**組み立て(コーディング)**に、2週間から1か月。設計とデザインが確定していれば、比較的読みやすい期間です。
確認と公開作業に、1週間から2週間。表示崩れやリンク切れの確認、フォームの送信テスト、公開後の設定などを行います。
こうして並べると分かるとおり、前半の「決める」工程が全体の半分近くを占めます。「作る作業」だけを想像していると、期間の見積もりが大きくずれます。
予定より長引く原因の多くは、依頼する側にあります
制作が遅れる原因として実際に多いのは、技術的な問題ではありません。次の三つです。
原稿と写真が集まらない。 これがもっとも多い原因です。ホームページに載せる文章は、基本的に依頼した側にしか書けません。事業内容、サービスの説明、実績、代表者の挨拶。制作を依頼した先が下書きを作る場合でも、元になる情報は自社から出す必要があります。通常業務の合間に書くことになるため、想定より時間がかかります。
写真も同様です。「あとで用意します」のまま何週間も止まることがあります。撮影が必要なら、その日程調整と天候待ちも期間に入れておいてください。
確認の返事が止まる。 デザイン案や原稿の確認が、社内の他の業務に押されて後回しになる。1回の確認が1週間遅れると、往復の回数だけ遅れが積み上がります。
途中で方針が変わる。 組み立ての段階に入ってから「やはりこのページも追加したい」「構成を変えたい」となると、前の工程からやり直しになります。追加したい気持ちは自然なものですが、費用も期間も増えます。
期間を縮めるためにできること
急ぎたい場合、依頼する側の準備で短縮できる部分があります。
まず、掲載したい内容を先に書き出しておくこと。完成した文章でなくて構いません。箇条書きのメモでも、既存のパンフレットのデータでも、材料があるだけで進み方が変わります。
次に、確認の担当者と決裁者を最初に決めておくこと。誰が返事をするのかが曖昧だと、確認のたびに社内調整が発生します。
そして、公開の期日と、その理由を最初に伝えておくこと。展示会や決算期など、動かせない予定があるなら早い段階で共有します。理由がわかれば、優先順位をつけた進め方を提案してもらえます。
もうひとつ、社内で情報を集める作業を一人に集中させないことも効きます。サービスの説明は担当部署に、実績は営業に、というように分担して、期限を切って集めます。窓口の担当者がすべてを書こうとすると、その人の業務が詰まった時点で全体が止まります。
なお、どうしても間に合わない場合は、段階的に公開する方法もあります。会社概要と問い合わせだけを先に公開し、実績やサービスの詳細を後から追加していく形です。すべてを揃えてから公開することにこだわらなければ、選択肢は広がります。
まとめ
会社案内のホームページであれば、2か月から3か月を見ておくと現実的です。そのうち半分近くは、内容を決める工程と確認の往復に使われます。
依頼先を探し始める前に、載せたい内容のメモと手元にある写真をまとめておく。この一手間があるだけで、実際の制作期間は目に見えて短くなります。