
人を採用するとき、求人媒体に掲載して終わりにしている会社は少なくありません。反応があるうちは問題を感じませんが、掲載期間が終われば情報は消え、次の募集でまた一から用意することになります。
この記事では、自社のホームページに採用ページを持つとどう違ってくるのか、そして採用ページに何を載せておくとよいのかを整理します。
求人媒体と自社ページでは、できることが違います
求人媒体は、探している人が集まる場所です。職種や勤務地で絞り込んで探せるため、こちらから何もしなくても目に触れる機会が生まれます。この点は自社のホームページにはない強みです。
一方で制約もあります。掲載できる項目と文字数が決まっているため、どの会社も似た見た目になります。写真の枚数にも上限があり、伝えたいことを全部載せるのは難しい形式です。そして掲載期間が終われば、そのページは残りません。
自社の採用ページは逆の性質を持っています。人が集まってくる場所ではありませんが、載せる内容も分量も自由に決められ、公開している限り残り続けます。会社名で検索した人に届くのも、こちらの側です。
つまり、両者はどちらかを選ぶものではなく、担当する場面が違います。媒体で見つけてもらい、詳しい内容は自社ページで確認してもらう。この流れを想定しておくと、それぞれに何を書くかが決めやすくなります。
実際、求人媒体を見た人がそのまま応募するとは限りません。会社名で検索して、どんな会社かを確認してから判断する人のほうが多くなっています。検索した先に情報がなければ、そこで検討が止まります。
掲載が終わったあとも残るという価値
採用ページを持つ効果がはっきり出るのは、募集を出していない期間です。
「あの会社、人を募集していないかな」と思って検索する人がいます。知り合いから会社の名前を聞いた人が、どんな会社か調べることもあります。このとき採用ページがあれば、募集の有無にかかわらず、仕事の内容や働き方を知ってもらえます。
現在募集していない場合でも、その旨と、次回の募集時期の目安を書いておけば無駄になりません。何も情報がない状態より、はるかに親切です。
また、一度つくったページは次の募集でも使えます。毎回ゼロから原稿を書く手間が減り、掲載内容のばらつきもなくなります。
採用ページにそろえておきたい項目
盛り込みすぎると更新が続かなくなるため、まずは次の項目から始めるとまとまりやすくなります。
- 募集の有無と、募集職種:現在募集中かどうかを、ページの上のほうに書きます
- 仕事の具体的な内容:一日の流れや、担当する業務の範囲がわかる書き方にします
- 求める経験・条件:必須のものと、あれば望ましいものを分けて書きます
- 働き方:勤務時間、休日、在宅勤務の可否など
- 応募から入社までの流れ:選考の回数と、返答までのおおよその日数
- 応募方法:フォーム、メール、電話のうち、どれで受け付けるか
このうち「応募から入社までの流れ」は、書いてある会社が意外と少ない項目です。選考が何回あるのか、結果はいつごろ来るのかがわからないと、応募する側は予定が立てられません。書いておくだけで、問い合わせの手間も減ります。
社員の写真や声を載せるかどうか
働いている人の写真や、仕事についてのコメントを載せると、会社の雰囲気は伝わりやすくなります。ただし、掲載には本人の同意が必要です。
注意しておきたいのは、退職したあとの扱いです。掲載時に同意を得ていても、退職後もそのままにしてよいかは別の話になります。掲載する時点で、退職した場合はどうするかを本人と決めておくと、後で困りません。
写真を載せることに抵抗がある場合は、無理に載せなくても構いません。名前を伏せた形での業務紹介や、職場の設備の写真でも、伝わるものはあります。
社員のコメントを載せる場合、内容を本人に書いてもらうか、聞き取ったものを本人に確認してもらう形にします。会社側でまとめた文章をそのまま掲載すると、実感の薄い内容になりやすく、読む側にもそれが伝わります。
つくったあとに起きやすいこと
採用ページで起きがちなのが、更新が止まることです。募集が終わったのに「募集中」のままになっていると、応募した人には返答がなく、会社への印象も下がります。
これを防ぐには、募集の開始と終了を、誰がいつ更新するかを先に決めておくことです。求人媒体への掲載を止める作業と一緒に、自社ページの更新も行う、という手順にしておくと抜けにくくなります。
もう一つは、内容が古くなることです。事業内容が変わっても採用ページだけ数年前のまま、というケースは珍しくありません。年に一度、募集を出すタイミングで見直す習慣にしておくと安定します。
小さく始めて、続けられる形にする
最初から凝ったページをつくる必要はありません。仕事の内容と条件、応募方法が書かれた1ページがあるだけでも、求人媒体だけの状態とは違ってきます。
次に募集を出すとき、媒体に書く原稿をそのまま自社ページにも置いてみるところから始められます。使い回せる形で残しておくことが、結果として一番手間の少ないやり方になります。