ドローン空撮を依頼する前に知っておきたいルールと準備

ホームページや会社案内に空撮映像を使いたい。そう考えたとき、発注する側にも最低限知っておきたいルールがあります。ドローンの飛行は法律で細かく定められており、手続きを欠いた撮影は、依頼した会社の信用にも関わります。この記事では、2026年8月時点の制度の概要と、依頼前に確認しておきたいことをまとめます。

ドローンの飛行には法律のルールがあります

ドローンの飛行は、主に航空法によってルールが定められています。代表的なものとして、機体とバッテリーの合計重量が100g以上のドローンは、国への機体登録と、機体を識別する発信機(リモートIDと呼ばれます)の搭載が義務付けられています。

また、空港周辺や重要施設の周辺など、そもそも飛行が禁止されている区域もあります。この分野は制度の改正が続いており、2026年にも飛行禁止区域に関するルールが強化されました。細かな内容は変わっていく前提で、「ドローンは自由に飛ばせるものではない」という大枠を押さえておくことが大切です。

なお、これらのルールは屋外の飛行を対象としたものです。建物の中や、ネットで囲われた空間での飛行は航空法の対象外とされていますが、施設側の許可が別途必要になるのは言うまでもありません。

業務での空撮は多くの場合、事前の手続きが必要です

航空法では、住宅が密集した地域の上空や、人や建物の近く、夜間の飛行などが「特定飛行」と定められており、行うには国への許可・承認の手続きが必要です。市街地にある会社の社屋や店舗を空撮するケースは、この特定飛行に該当することがほとんどです。

さらに、場所によっては土地の管理者や自治体への確認、道路上で離着陸する場合の警察署への手続きなど、航空法以外の調整が必要になることもあります。こうした手続きは通常、撮影を請け負う事業者が行いますが、「手続きが必要な撮影である」という前提は発注側も共有しておきましょう。

また、許可・承認を得た飛行であっても、飛行のたびに計画を事前に通報し、飛行の記録を日誌として残すといった運用上の義務があります。きちんとした事業者ほど、こうした手続きを当然のこととして踏んでいます。

依頼先に確認したいこと

空撮を依頼するときは、次の点を確認しておくと安心です。まず、飛行に必要な許可・承認を取得したうえで撮影するのかどうか。「許可は取らなくても問題ない」という説明で市街地の撮影を進めようとする場合は、依頼を見送るべきです。無許可の飛行は法律違反であるだけでなく、映像が公開されれば依頼した会社の名前とともに残り続けるリスクがあります。

次に、万一の事故に備えた保険に加入しているか。ドローンは機械である以上、落下のリスクをゼロにはできません。第三者への損害を補償する保険の有無は重要な確認事項です。あわせて、操縦者の資格(国家資格である無人航空機操縦士など)の有無や、同種の撮影実績も聞いておくと、判断材料になります。実績は口頭の説明だけでなく、過去に撮影した映像を実際に見せてもらうのが確実です。仕上がりの雰囲気が自社のイメージと合うかも、あわせて確認できます。

見積を取る際は、許可申請などの手続きにかかる費用や日数が含まれているかも確認しておきましょう。申請には一定の期間がかかるため、「来週撮ってほしい」といった急な依頼には応えられない場合があります。余裕を持った日程で相談するのが基本です。

発注する側で準備しておきたいこと

依頼を決めたら、撮影したい建物や敷地の情報(住所、敷地の範囲、撮りたい向き)を事前に伝えます。周辺に学校や病院、鉄道などがある場合は、その情報も共有しておくと、事業者側の事前調査がスムーズです。

また、天候によって撮影が延期になることは珍しくありません。雨や強風の日にドローンは飛ばせないため、予備日を設けておくと安心です。近隣への配慮が必要な立地であれば、撮影日を事前に案内しておくことも、トラブルの予防につながります。

もう1つ、撮影データの扱いも決めておきたい点です。納品されるデータの形式と、ホームページ以外(SNSや印刷物など)にも使ってよいかという利用範囲は、契約前に確認しておきましょう。あとから用途を広げたくなったときに、追加の費用や手続きが必要になる場合があります。

まとめ

ドローン空撮は魅力的な手段ですが、飛行には機体登録や許可・承認といった法律上の手続きが伴います。依頼する側としては、制度の大枠を知ったうえで、手続き・保険・実績を確認できる依頼先を選ぶことが何より重要です。制度は今後も変わっていくため、実施の際は国土交通省などの公式情報で最新のルールを確認するようにしてください。準備を整えて臨めば、空撮は安心して活用できる心強い手段になります。

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